今回は1曲レビューを行わずに最近ネットのI’veファンの間で議論をかもし出している問題について私なりの意見を書いてみたいと思います。その問題はタイトルどおり「I’ve離れ」についてです。


http://blog.livedoor.jp/akibamusic/archives/448650.html
事の発端はこちらの記事でした。また今現在ではそのブログの人の新たな記事も出ているのでそちらもご覧ください。


まずこの問題で一番重要な点「メジャーデビュー後のI’veがおかしい」について。うちのブログでも何度か言っていますからわかると思いますが、私の意見はこの人と同じで「I’veはメジャーデビューしてからいい曲を作らなくなった」というものです。ここで言うメジャーデビューはKOTOKOのソロアルバム『羽』が出たことを定義します。ただこの「変化」は何もメジャーデビューのときにのみ起こったことではありません。それを説明するためにI’veのスパンを個人的に分けてみます。


①黎明期〜爆発期(I’ve結成〜2nd『verge』発売まで)
KOTOKO登場〜発展期(〜KOTOKOメジャーデビューアルバム『羽』発売まで)
③メジャーデビュー〜絶頂期(〜2005年武道館ライブまで)
④今現在


あくまでこの分け方は個人的なものですのでご了承ください。ではまず①について。I’veが結成されて「FUCK ME」の発表、そしてKanonの大ヒットによるI’veのエロゲ界での知名度上昇、いろいろなエロゲでI’veが曲を提供するようになっていよいよ待望の2ndアルバム発売…ここまでを1つのスパンとしたのは②の始まりであるKOTOKO登場と分けるためです。このときのI’ve曲の特徴は以前にも言ったようにラップを用いたエロゲの音楽としては革新的なものでした。このころはトランシーと言っても単に打ち込み音楽で、カッコよさを前面に出した曲はそれほど多くありませんでした。歌姫では現在でも活躍中のMELLさんや島宮えい子さん、そして彩菜さんやAKIさんなどこの時期を引っ張った人、それ以外の歌姫も多く、一番ボーカルが移り変わっていた時期でありました。また忘れてはならないのが「I’ve fun club」の存在です。これは初期のI’veを応援する方々が集っていたサイトがあり、会報なども作っていましたがこの時期になって解散しています。その理由は何も不思議ではありません。今と全く同じでファンクラブの中核を担っていた人が「I’veに飽きた」のです。


②に移ると文字通りKOTOKOが台頭を始めます。女性らしい作詞、オタクに受けそうなアニメ声、様々な要因がありますがこの一人の歌姫が登場しただけでI’veを取り巻く状況ががらりと変わってしまったのです。その最たる証拠が3rdアルバム『disintegration』です。このアルバムは13曲収録なのですが、その実に半分の6曲がKOTOKOの曲でした。前作から2年の間にここまで1人の歌姫がアルバムを席巻すると誰が予想できたでしょうか。そして印象的だったのが先ほど紹介したファンクラブの元会長が言っていた言葉、「このアルバムで聴けるのは『Disintegration』と『王子よ〜月の裏から〜』の2曲くらい」。この言葉が一番この変換期を如実に表していると思います。曲の特徴は一番多彩な音を使えていた時期だと思います。歌姫はSHIHOさんMOMOさんが精力的に活動し、またI’veの次代を担う人材である詩月カオリさんと川田まみさんが登場したのもこの時期です。そしてもうひとつ挙げられるのは『おねがい☆ティーチャー』の主題歌担当によるメジャーとのかかわりのはじめもこの時期です。


③は一番最近のことですから覚えている方たちも多いと思います。日本武道館でのライブの開催。大成功に終わったこのイベントはどう考えてもI’veの今までの活動の一区切りだと誰もが思ったのではないでしょうか。ですがどうでしょう?それ以外に行ったI’veの特徴的な活動を覚えてる方はいらっしゃいますか?もちろんKOTOKOのメジャーデビューでしょう。だがはっきり言ってそれだけに過ぎないんですよ。われわれファンにとってはメジャーデビューによってKOTOKOに生で会えるイベントやライブが増えたということは確かに大きい。だが言ってしまえばこれはI’veではなくKOTOKOの活動なんです。この時期を表すのにいい例えとなる経験を僕はしました。サークルの後輩にエロゲをやっているといったので「I’veって知ってる?」と聞いたところ答えはNO。しかし「KOTOKOとかが活動してるんだけど」というと「KOTOKOなら知っています」という答えが返ってきました…このことが言いたいことはもうわかるでしょう。曲の特徴はライブにしやすいようにデジロックテイストの曲が増え、歌姫はほぼ固定されてきて新人の怜奈さんが入ったもののあまり代わり映えしない面子になったといえるでしょう。


このように活動の時期を分けてきたわけですが、一番最初の問題に戻ると③の時期からファンが飽きてきているというものでした。しかし上に述べたように既に②に於いてその問答が起こっているわけです。だが③になってこういう問答がまた起こっていることはどういうことか?それは「新規のファンが多く入ってきている」ということで説明できるでしょう。つまり②での騒動を知らない人が多すぎるんです。あのころだってかなり激しい論争が各ファンサイトのBBSで繰り広げられてきました。だがこういう問題が再び起こるくらいにファンが増えたのです。だから私の総合意見としてはI’veはメージャーに出てから飽きが来るようになった。だがそれがI’veのファン離れを引き起こす要因にはならず、むしろ新規のファンはこれからも増えるだろう」ということです。


I’veは未だに変化を続けています。それが「進化」なのか「退化」なのかははっきり特定することはできません。もしそれは「ファンの数」という数値によって測定できるものであったら、おそらく私達がいくら飽きたと言っても「進化」になると思います。大体私達が飽きてきたのは「昔から今」を見ているからであって、「今から昔」と見ている新規ファンでは昔の曲はあんまりぱっとしないなぁと思ってるかもしれません。だが一番重要なのは変化を続けることです。KOTOKOばかりで飽きたといいつつも川田さんや島宮さんもメジャーデビューを果たし、歌姫固定のマンネリも何とかなりそうな雰囲気はあります。だが本当に歌姫も作曲陣も全く変化を止めたときが真の「I’ve離れ」が始まるときではないでしょうか?このように不安な意見をファンが言っているということが既に変化の兆しであり、ゆえにI’veの周りでは常に「新しさ」があふれている証拠だと思います。


長々と書いてしまいましたが何か他にもいろいろ言いたいことが出てきたのでまた後日この話題を近いうちに取り上げると思います。ネギまとか目当てで来てる方は興味ない記事ですいません。