銀河系の暴走

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20070114-00000012-spnavi-socc.html
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20070116-00000020-spnavi-socc.html
最近のレアルの動きは目に余るものがありますね。特に上の記事は怒りを覚えるくらいでした。


知ってる人も多いとは思いますがベッカムは今期の契約満了後、移籍金が発生しない条件でアメリカのサッカーリーグに史上最高年俸で移籍することが決まりました。しかしこの移籍交渉ではベッカム代理人や妻のヴィクトリア夫人などの意見が重要視され、レアルのクラブ側には全く話が通ってなかったとのこと。そしてこのことで監督のカペッロとラモン・カルデロン会長は堪忍袋の緒が切れた模様。
記事にも書いてあるとおり、カペッロ監督は今後契約が満了となるシーズン終了までベッカムを起用しないと明言をし、カルデロン会長にいたっては「ベッカムと契約延長をしなかったことは間違いじゃなかったよ。今だから言うがレアル側にヨーロッパのクラブからのオファーは1つも来ていなかったんだ。つまり彼はヨーロッパのどこからも必要とされてなかったんだよ。アメリカに行ってハリウッドスターにでもなった気でいるんじゃないのか?」という一クラブの会長とは思えないような発言までしている始末。
これで困るのは当然ベッカムで、移籍を決めたといってもそれはこの冬のマーケットではなくシーズン終了後の6月のこと。つまり実質5ヶ月の間練習しか出来ないわけです。選手としては実践の試合感を忘れないためにも、せめて途中出場くらいはしたいはずですが、それすらもするつもりはないと監督に今の時点で宣言されたわけです。これはモチベーションも下がりますねぇ…


そして同時にベッカムのように事実上「戦力外通告」を受けたのがロナウドカッサーノの問題児コンビ。下のほうのリンクを見ても監督がもうお手上げ状態となっているのが分かります。しかし3人に共通しているのはチーム側から完全に見放されているということ。それがかわいそうに思えて仕方がない。もうレアル側から見ると完全な「移籍商品」であり、しかもどの選手も期待を込めて高額で買ったのだから出来るだけ(マイナスになることは分かりきってるが)高く売って損失を少なくしようと躍起になっている模様。


こういう実体を見てしまうとつくづくレアルはいやなチームだなぁと思う。自分がこういう風に詳しく欧州サッカーを見始めたのがここ5年くらいですが、いい印象を持ったことがほとんどない…カペッロの前のロペス・カロ2軍監督が一時的に指揮を執っていたときが一番見てて好感をもてた気がします。ずっと下積みの選手を指揮していた監督がぐちゃぐちゃになったチームの中でなるべく生え抜き選手を使おうとがんばっていたのが見て取れたので。明らかに次期監督(カペッロ)が見つかるまでの繋ぎ役だったわけですが、個人的にはずっとカロ監督が率いてる姿を見たかった気がします。
そして逆にカペッロの評価はもうがた落ちですよ。ユベントスにいたころからあまり好きな監督ではなかったんですが、きちんと結果を出している点は高く評価していました。しかしこういう風に公式見解で特定の選手を名指しで批判し、チーム内の雰囲気を自らぶち壊してしまうとは…確かにレアルは「銀河系」を捨てようと最近躍起になっていますが、もう少し穏やかに進めることはできたはずです。「監督に逆らったら首にされる」という当たり前のようで普段気にしないことが急にリアリズムを持つようになり、選手達は常に監督の影におびえる羽目になる。確かにチームは強くなるかもしれませんが、監督の機嫌を伺うばかりの選手達のプレーを見てファンが納得するのかどうか。


全ての結末は今シーズン、カペッロがリーガかCLどちらかのタイトルを獲得できたとき初めて分かります。