最近の各試合について

○日本対オーストラリア(1-3でオーストラリア勝利)
名勝負続きだっただけあって見ていてつまらなかった。多分日本が母国でなかったら非常につまらない試合だったろうな…日本は前線がダメダメでちっとも点数を取りそうな気配が見れなかった。そしてゲットできた先取点も明らかにラッキーって言うかファールだし。1点取ってから守りに入る理由もわからない。日本は中盤の豊富なタレントでボールを回して試合を組み立てるチームであり、守りを固めてカウンターなんていうのは別に得意と言うわけではないはず。特に前線の柳沢と高原はスピードが特徴のFWじゃないんだしその戦法がうまく当たるとは思えないわけで…


逆にオーストラリアはさすがに名将ヒディンクだけあって日本の攻め方を熟知していた。最後方のディフェンスからバンバンロングボールを上げてポストプレーを使い、頻繁にサイドチェンジを行って徹底した高さ勝負に来ていた。これではいくら対策していたとしても日本のDF陣もじりじり追い詰められるわけで。特にサイド攻撃が効果的だったため、日本のサイドの駒野と三都主が全く試合から消えていた。特に駒野はディフェンスではなかなか奮闘していたものの肝心の攻撃ではクロスの精度が悪すぎてチャンスメイクが出来なかった。


その中で孤軍奮闘していたのが川口だったのだが、最後の最後でミスをやらかしちゃって台無しに。たびたびオーストラリアのシュートを防いでいたのに最後は防ぐどころかシュートを打たれるのをただ見るだけだったし…総評としてあらゆる点で日本は負けてましたね。監督の采配もやはりジーコは監督としては疑問符を抱かずにはいられない。


○イタリア対ガーナ(2-0でイタリア勝利)
死のグループCに次ぐ激戦区となったグループEの試合。噂にたがわぬ名勝負となりましたね。優勝候補のイタリアにアフリカの強豪ガーナがどれだけ対抗できるか見ものでしたが、2-0と言う結果以上に善戦したと思います。ただ最終的に結果を出したイタリアの試合巧者ぶりに舌を巻くばかり。


前半からボールのポゼッションはガーナ優位で動いてはいるが、イタリアのボールを奪ってからのカウンターが美しくて、支配率以上にイタリアが攻めている印象が強かった。トニとジラルディーの2トップも結局点は取れなかったが非常にいい動きをしていたので惜しかった。先取点はそれまでキーパーを狙うような巻くボールばかりあげていたトッティコーナーキックから。意表をつくショートコーナーからピルロの正確なミドルシュートで先制。本当に美しい起動を描いていきましたねぇ。


ガーナは時折非常に惜しいシーンを造るもののなかなかシュートが枠へと飛ばない。後半はボールを支配しても効果的な崩しが出来ずにエッシェンがたまにミドルシュートを打つくらい。しかし一度綺麗なパス回しからギャンが抜け出し、あわやPKというシーンがあったのだが審判が流したのが痛かった。通常なら負けているチームだし、PKを普通に与えていいと思うのだが…明らかに足がかかっていたし。1-0の非常に拮抗したいい試合に水を差すようなジャッジでしたね。その後ガーナはPKをもらえなかったショックからか、痛恨のバックパスミスを途中出場のイアキンタに奪われ、無尽のゴールにボールを流されて2-0。とにかくイタリアのしたたかさが光る試合となりました。


チェコアメリ(3-0でチェコの勝利)
上記と同じグループEのイタリア対抗馬であるチェコと中堅国アメリカの一戦。いい勝負になるかと思いきやチェコの誇る天才ロシツキーの活躍で3-0と意外にも大差が付く結果となった。


チェコモーツァルトとも形容されるほど洗練された技術を持つロシツキーが大爆発。前半始まってすぐコラーが先取点を取って余裕を持った試合運びが出来たのがよかったのかもしれないが、何よりこの選手の出来が素晴らしかったのが大きかった。特に2点目のミドルシュートは卓越した技術をまざまざと見せるものでしたね。


逆にアメリカが全く本来の出来とは程遠いプレー内容だったのもこの大差をつけた原因だろう。何度か惜しいシュートがあったものの、正直若手GKでは世界最高とも評されるチェコのチェフを脅かすに至らないものばかり。アメリカは今後の試合でどれだけプレーの内容を挙げれるかでグループが突破できるかが決まる。


○フランス対スイス(0-0のドロー)
フランス優位といわれるグループGの一戦。フランスについで通過の可能性が高いと見られるスイスとの一戦であったため、技術的には高いものが見れたが水面下で「こことは引き分けでいい」と言う心理が両チームにあったと思われる試合内容だった。特にフランスは前線の攻撃にはっきり言って迫力が感じられなかった。トレゼゲ抜きのアンリ1トップというのもわからないではないが、後半の試合がこう着状態に陥ってもトレゼゲを増やさずに中盤ばかりを入れ替えるドメネク監督の采配には納得がいかない。


スイスは見ていてすがすがしいくらい若い選手が揃っていてうらやましく思った。特にアーセナルセンデロスはまだ20才とは思えないくらい落ち着きを持ってフランス攻撃陣を防いでいた。攻撃ではデゲン、マニンの両サイドバックが頻繁にオーバーラップし、エースのフレイへといいボールをたびたび放り込んでいた。しかしフランスの守備陣は非常に堅固で、結局点はとれずじまいとなってしまった。


注目のジダンは全盛期ほどの輝きはないもののやはりキープ力やパスセンスはずば抜けており、目だってはいたが冒頭の安全意識がたたったのか決定的な仕事はサハに出したスルーパスくらいのものにとどまった。しかしフランス、スイスとも残りの韓国とトーゴには勝てるものと踏んでの勝ち点1は見てるほうには退屈でも重要なものとなったのかもしれない。


○ブラジル対クロアチア(1-0でブラジル勝利)
優勝候補筆頭のブラジルがいよいよ登場となったが堅守クロアチアの前に取れたのは1点止まり。しかしきちんと勝ち点3を奪って好スタートと言っていいだろう。


ブラジルは注目の「マジック・カルテット」がどう機能するのか楽しみだったが今日はクロアチアに完璧に封じられたといっていいだろう。中盤のロナウジーニョとカカは頻繁にボールタッチできるものの、なかなかその前にいるロナウドアドリアーノまでが回らない。アドリアーノは時折中盤まで下がって触ったりはしたものの、前線に張り付きっぱなしのロナウドは全く活躍できないままベンチへと引っ込んだ。


クロアチアとしては守備陣がうまく行っていただけあって攻撃陣が早いうちに点が取れていたらよかったものの、肝心のキャプテンニコ・コバチ接触プレーで前半のうちに交代したのが痛かった。その後もいい攻撃はしていたものの最後の点でうまくいかなかったシーンが多く、もっと攻撃のバリエーションが多ければいいのにと思っただろう。そして粘っていた守備陣も前半終了間際のカカのミドルシュートに万事休す。チームとしてうまくいかなくとも、ワンプレーで試合を動かせるタレント力を見せ付けた。


後半はロナウドが下がって、ロビーニョが入ったことでブラジルの攻撃も多少うまくいくようになるがそれでも最後はクロアチアがうまく防ぎ、ボールを奪ってのカウンターを両チームが打ち合うスピーディーな展開になった。その中でクロアチアは2,3度あった決定機を点に出来なかったのが悔やまれる。


しかし今度日本とあたるクロアチアの動きは非常によく、正直日本はやはり勝ち目はないと感じた。もしうまくいくとすれば命綱である中盤の出来次第だろう。あとは三都主の左サイドの攻撃も効果的に行いたい。オーストラリア戦のように守勢に回っていたのでは絶対に勝てないと明言しておく。