ファケッティ逝去

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20060905-00000019-spnavi-spo.html
われらがインテリスタにとっては最も愛すべきインテルの象徴を奪われたような気分です…この人がどれくらい多くのファンに愛された人物かを簡単に説明すると、ミランにおけるマルディーニとか、サッカーに興味ない人に説明するなら巨人の長嶋さんが死んだようなものです。


彼の簡単な足跡を知るには上のリンクで十分と思いますが、何よりも大切なのはインテル一筋だったということ。デビューこそ別のクラブでしたがインテルに入ってからは引退までずっととどまり続け、さらに引退後もインテルの役員としてミラノの町に住み続けたのです。そして2004年からはインテルの会長も勤め、まさに「世界で一番インテルを愛した男」ともいえます。


最近こそインテルは金に物を言わせてビッグネームばかり取っては勝負どころで勝ちきれず、万年3位と思えるほどユーベやミランの後塵に配してますが、彼はそんなチームの中でも見捨てることはなく健全な運営を心がけ、不正疑惑の問題が起こってもビッグ3の中で唯一罪を受けなかったように悪に屈しない実直な人でもありました。ああ、自分はインテルの「不器用だけどまっすぐなクラブへの思い」が好きだからインテリスタになったんだなと改めて思いました。


最後にmixiインテルコミュであげられられていたインテル公式サイトに載せられたインテルの「バカ殿」モラッティの言葉の意訳文を全文添えて心よりご冥福を祈ります…

親愛なるチーペ


私は、君がもはや不治の病に冒されているということを、最後まで伝えることができずに申し訳なく思う。


そして、君のいつも持っていた忍耐に感謝を禁じえない。
君の眼には、最後まで戦おうとする熱意。
そしてそこはかとなく皮肉のこもった微笑み。
ほんの数日前、君はほとんど聞き取れないような声で、まるで恋人同士のような穏やかな貌で私に話してくれた。
インテルの将来、そして人智の及ばない、未来のことについて。


数ヶ月前、私は冗談交じりに君に尋ねた。
「なぜ私たちは審判を懐柔しなかったのだろうかね?だからこそ今こうして平穏なわけだがね」 と。
すると君は優しさの中に、厳しさを込めた表情で答えた。
「貴方は、そういうことがヘタだからできなかったのですよ」と。


それは違う。
君の威厳がそうさせなかったのだ。
君の真摯さがそうさせなかったのだ。


君の崇高なスポーツマン精神を知らずか、君の名を間違えて「チペレッティ」と呼んだエレーラのせいで、インテルに来たその日からその名は残ってしまった。
それからというもの、あらゆる人が君をを「チーペ」と呼ぶようになった。


物静かで、知性的で、勇敢で、思慮深く、低俗から遠い人物。
インテルを敬い、尽くしてくれたことに、重ねて感謝の意を表します。
「ありがとう」と。


「私たちの全て」へ。


マッシモ・モラッティ