世間がトリノオリンピックで盛り上がっている間にもうひとつ世界中が熱狂するスポーツの祭典、チャンピオンズリーグが2/22,23の早朝に行われました。


オレはバイトの飲み会のあとというきわめてフィジカルコンディションが悪いときにも関らず朝4時に起きて観戦しましたw観戦と言っても地上波ではどの局もオリンピックばかりで放送してくれなかったので、ネットのリアルタイム速報を見ながらという微妙なものでした。


しかしこのリアルタイム速報が本当に良くできている。
http://jp.uefa.com/competitions/ucl/index.html#
ここの「MACHECENTRE」というやつを使うと本当に秒刻みで次々とどういうプレーがあったとか、誰が交代したとかが更新されるんですよ。特にうれしかったのが写真を即時公開してくれること。これでゴールシーンがどういうものだったかをチェックできるのですよ!おかげで実際見ているわけじゃなかったんですが、かなり臨場感たっぷりに観戦することができました。まあ当然何もおきないときは暇だったので別のページを覗いたりしてたんですが、メッセみたいにゴールが入った瞬間効果音が流れるのでおいしいシーンを逃すこともありません。


さて、肝心の試合の方に移りましょう。22日の方ではバイエルンミランレアルマドリーアーセナルPSV対リヨン、ベンフィカリヴァプールの4試合が行われました。この中で一番注目度が高かったのはおそらくバイエルンミランでしょう。ドイツで首位をひた走るバイエルンセリエAでイマイチ調子の上がらないミランをどう攻めるのかが楽しみな一戦でした。しかし結果は1-1のドロー。前半予想通りの猛攻で先制したにもかかわらず、追加点が奪えずに逆にPKで楽に取り返されそのままミランに守られてしまいました。この辺りを見るとミランは前回のイスタンブールの悲劇の全く逆をいってる展開だと思いました。ミランの猟犬ガットゥーゾが以前「あの悲劇以来、どんなに勝っていても逆転されるんじゃないかという悪い未来が見えてしまって、自信を持ってプレーできない」と語っていましたが、今回は逆に自分達が不利な状況からひっくり返すことができたのですからあの悪夢の克服につながればいいのですが…。逆にバイエルンはホームで敵に点を取られて引き分けというある意味最悪の結果に終わってしまったので、次の試合では何が何でも点を取らないといけない状況になりました。ただミランが守備に抱えている問題はそんなすぐには解決できるものではないと考えれば、アウェーでもやれると言う気持ちになるはず。


もうひとつのビッグマッチはどちらもスペインとイングランドを代表するビッグクラブでありながら、リーグで不調なレアルとアーセナルの一戦。ただ今年に入ってから監督が交代したレアルは見違えるように運動量が戻って以前の輝きを戻しつつあったため、戦前の予想ではホームのレアル有利という意見が多数でした。だが結果はこちらもアウェーチームが勝ち点を上げる0-1。この試合ではプレミアでの不調が嘘のようにしっかりとした守備を固めたアーセナルがどう見ても優勢でした。ポゼッションはレアルのほうが高いものの、アーセナルに「持たされている」という感じ。ラインの間隔を守ってレアルが不用意に回したパスをインターセプト、そして前線のアンリ、レジェスなどに思いっきり縦パスを通すというお手本のようなカウンターで試合開始直後からレアルゴールに迫る。GKがカシージャスじゃなかったら前半で試合が決まっていたというくらいに惜しい場面が多かったです。前半は何とか乗り切ったレアルですが、後半開始直後にアンリに決められて万事休す。レアルの攻撃陣はアーセナルのラインを崩すような動きを見せることができず、結局そのままホームで完封負けの屈辱を味わうハメに。ただこの状況を引き起こしたのは間違いなくロナウドだと俺は思います。なぜなら試合前に「レアルのファンが僕をブーイングするのがわからない」とファンを批判し、レアルへの嫌悪感を示したのです。このことだけでファンからいい思いをもたれるはずもないのに、試合でも効果的な動きができない。以前から太りすぎだといわれていたがそれを気にせずのうのうとプレーしてきた付けが回ってきたのでしょう。ロナウドが自らの過ちを反省しない限り、ファンとの関係は悪化する一方です。そしてアーセナルのほうは次をホームで戦えるということで一気にベスト8が見えてきました。知将ヴェンゲルが若手チームにしっかりと戦術を浸透させた手腕は見事の一言。今年はタイトルが1つも取れないかもしれませんが、スタジアムが新しくなる来年以降は若手の勢いで一気に復活しそうな期待をさせてくれました。


そして23日に行われた試合に移りましょう。おそらくサッカーファンじゃない人でもこの対戦のことは耳にしたと思われるほど「事実上の決勝戦」と騒がれるチェルシーバルセロナが行われました。なぜこの対決がこれほどまでに注目されるかというと、ことごとく両チームの間に「類似点」と「正反対な点」が多く存在することです。まず類似点は両チームとも4-3-3のシステムを使い、世界トップクラスの選手を豊富に保有して分厚い選手層をしており、イングランドとスペインの両リーグで首位を独走するチーム同士なのです。ここまで類似しておきながら内容になると全く正反対の点ばかり出てきます。まず監督は幼いころから勉学も積み、優秀な監督の下で修行を積んだが選手としてはほとんどキャリアもなく、歯に衣を着せぬ発言で世間を騒がすこれぞ知将というようなモウリーリョと、名門ミランの黄金時代でも活躍し、天才クライフの後釜として見事にチームをまとめてみせたライカールト。そして2つのチームの戦術も堅い守備からボールを奪い、電光石火のカウンターで息の根を止めるチェルシーと、ロナウジーニョ、デコ、メッシなど輝かんばかりのテクニックを持った選手によるひらめきによってスペースをつき、エトーというエースがきっちり点をとる蝶攻撃サッカーのバルセロナ。この対決はまさにヨーロッパを代表するチーム同士によるもので、戦前から騒がれるのも当然といえるでしょう。


そして結果はアウェーのバルサが2-1で勝利。チェルシーが前半のうちに退場者を出して数的不利になったのが結果的にやはり痛かったということになります。だがチェルシーは退場者を出してもモウリーニョの見事な選手起用によって先制点を挙げるなど、まさに噂にたがわぬ実力の深さを見せてくれました。11人対11人での対戦も見てみたかった気がしますが、退場者を出したからこそこういう深みのある試合が見れたと思うと複雑です。2ndレグではチェルシーが圧倒的に不利な状況ですが、今回の試合を見たとおり逆境を撥ね退けるくらいの力を持っているので全く期待は下がりません。


そして今回の1stレグで俺が選ぶベストゲームがヴェルダーブレーメンユベントスの一戦です。ユベントスの説明はほとんど要らないでしょうが、ブレーメンに関してはあまり知ってない方が多いと思います。このチームは2年前にブンデスリーガを制覇したほどドイツでは強豪といわれるチームで、特徴は圧倒的な超攻撃サッカー。今シーズンも3位にもかかわらずゴール数は1位のバイエルンより10点多いというくらいぬきんでた攻撃力を持っています。ですが逆に言うと守備に問題があり、失点数も10点多いという判りやすい弱点を持っています。今回の試合ではヨーロッパトップクラスの守備力を持つユベントスブレーメンの攻撃を手玉に取り、あっさりとカウンターで勝負を決めるだろうと言う予想ばかりで、勝率は20%以下とも言われていました。しかし試合が始まってみるとブレーメンユベントスの守備陣をもきりきり舞いにしてしまうほど華麗な攻撃を見せ、先取点をきっちり取るという予想外の立ち上がりを見せました。だが後半に入るとユーベが少ないチャンスをしっかりと決めて2-1と逆転し、やはり予想通りの結果になってしまうのかと思いました。だがブレーメンはここで全くあきらめず、猛攻を見せて残り10分で2点を奪い見事逆転して見せたのです!実はブレーメンは去年のCLの同じ一回戦でリヨン相手に2試合合計10失点の歴史的大敗をしてしまったのです。その悪夢を繰り返さぬよう、最後まで貪欲にゴールを狙ったとても見ていて気持ちいい試合でした。冷静に考えるとホームで勝ったもののアウェーゴールを2点も与えてしまったと考えると、2ndレグでもやはりユベントスの有利は変わりません。だがブレーメンチャンピオンズリーグという大舞台で自分達のスタイルを貫き通したチームとしてたたえられると俺は思います。


2ndレグは3/8,9の早朝に行われます。たぶんそこでも無理して朝から観戦してるんだろうなぁ。