UEFAチャンピオンズリーグ05-06決勝

mixiのほうで実況やってたのでそれを添付して楽をするw


朝3:30におきてからテレビをつけて観戦開始。今年はCLが前身のチャンピオンシップからあわせて50周年を超えたのを記念して大々的なセレモニーもやってました。そこで人文字でビッグイヤーチャンピオンズリーグの優勝カップ)の絵をピッチの真ん中に描いていたわけですが、「ビッグイヤー」って「その年の一大イベント」って意味じゃなく、もらえる優勝カップの取っ手がでかい耳に見えるから「大きな耳」って意味ですよ。QMAで○×とかにしやすそうとか思ったりw


セレモニーが終了して両チームの選手が入場。戦前に散々言われていたメッシはベンチにすら入らないということでライカールトにしては珍しいフロックでしたな。それよりも意外だったのはボランチイニエスタではなく、エジミウソンだったこと。まあこればかりは監督しかわからないんですが勝たなきゃならない決勝で守備に気を遣うのはいかがなのものかと。一方のアーセナルも攻撃的なレジェスではなくピレスを選択。また今年で現役を退くベルカンプも控えだった。


序盤は両チームともすばらしいパス回しを見せて見てて本当に楽しかった。2分にはアンリがうまく抜け出して1対1になったがバルデスが好セーブ。それを筆頭にアーセナルが押し気味だったが点は奪えない。バルサアーセナルロナウジーニョ対策を気にしてか、ロナウジーニョエトーを本来とは逆のポジションにしたがこれがうまく機能しない。エトーはもともとサイドアタッカーだったから問題ないとして、ロナウジーニョはやっぱもう少し後ろからボールを持って前を向きやすい形のほうがフィットすると思う。


しかし20分前にレーマンがいきなり退場。ここではエトーからボールを貰ったロナウジーニョにDF陣の集中が向きすぎてしまい、その裏に飛び出したエトーが完全にフリーになってしまった。そのエトーを捨て身で止めたレーマンだったが当然これはファール。この時点で笛が吹かれたが、こぼれたボールをジュリが決めていたため普通ならアドバンテージをとってレーマンのファールは無効、その代わりにゴールが認められる。しかし審判もCL決勝の大舞台で舞い上がっていたのかファールの方を取ってしまい、レーマンはレッドカード退場、しかしゴールは認められずにフリーキックとなった。この問題は様々な議論を醸しているが、上の問題のほかにエトーがパスを貰った時点でオフサイドだったとアーセナル側は執拗に異議を唱えている。バルサ側は最終的に勝ったために文句は言っていないがリアルタイムでは得点が認められなかったことにかなり気が立っていた。プレーはレーマンが退場したためにアーセナルは10人でプレーすることとなり、当然GKがいないサッカーなんてものは成り立たないのでピレスを代えてアルムニアを投入。ピレスにとっては後味の悪い決勝となってしまった。レーマン自身もCLでの無失点記録を更新中だったためにかなりの失望を味わっただろう。


中断後のロナウジーニョフリーキックは外れたものの10対11の数的有利な状態が残り70分以上もあるのだからバルセロナの圧倒的なアドバンテージは誰が見てもわかるものだった。しかしその楽観的な状況を一変する出来事が起こった。アーセナルが37分に右PA外からフリーキックのチャンス。アンリの正確なキックから最後はキャンベルがどんぴしゃりなヘッドで先制!なんと不利だったアーセナルが先制してしまったのです。この得点によって両チームにはわかりやすい変化が起きました。序盤積極的だったアーセナルは点を取ったことですぐさま守りに転じ、先ほどのようなセットプレーやカウンターから2点目をとってバルセロナの息の根を止めるという作戦。逆にバルサは数的有利を味方につけて圧倒的にボールを保持し、相手の守備をこじ開ける攻撃的な手段をとりました。点を取られた直後にはロナウジーニョのパスからうまく反転したエトーがシュートを打つもGKエルムニアがファインセーブ。守りに回ったアーセナルにはあまり数的不利は関係なく、そのまま前半は終了。試合的にはアーセナルが虎の子の1点を守りきる可能性が出てきて俄然面白みがましてきました。


後半もバルサが圧倒的に支配し、巧みな個人技で何度か決定的なチャンスをつくるも得点にはいたらない。 システムはエジミウソンの代わりにイニエスタが入り、ロナウジーニョも本来の左サイドになったのでかなり動きは良くなっていましたが点だけが入らない時間帯が続きました。逆にアーセナルはアンリ、セスク、リュングベリの三人だけでカウンターをつくる。特にリュングベリはパスカットしてから何mもドリブルする様が相手にはものすごい恐怖になっていたでしょう。後半24分はアンリが単独で抜け出すもGKバルデスがナイスセーブ。その後アーセナルのセスクが交代しましたが、個人的にはここがこの試合の分かれ目だったと思います。セスクのチームに対する貢献度は計り知れず、攻撃面でも守備面でもかなり貴重な存在だったのは間違いないのに、ここで交代したのは見ていて不思議でした。


そしてその交代とは逆にバルサラーションベレッチと立て続けに攻撃的選手を投入して息を吹き返します。後半31分素晴らしいスピードで抜け出したエトーラーションのパスを受け見事にゴールで同点!このときスタジアムには「ああバルサが勝つな」という予感がめぐったものでしょう。10人でも逃げ切れる可能性のあった状態から点を取らないと勝てない状態になったアーセナルの選手への心理的ダメージは計り知れなかったでしょうし、1点取れたんだからもう1点取れるという気分になったバルサの選手の精神的アドバンテージも同様。そしてそのまま36分にラーションのスルーパスからベレッチが抜け出して逆転! スタジアム中が喚起と悲しみの絶叫に包まれたシーンでした。


2対1になってからはもうアーセナルに追撃する力はありませんでした。攻撃的なレジェスを投入したものの焼け石に水のようなもので数的有利には抗えませんでした。バルサはバックパスを多用し、お得意の時間稼ぎを繰り返してそのままタイムアップ。世界中から愛されるドリームチームが世界一強いチームになったのです。


個人的にはアーセナルに勝ってもらいたかっただけに、あの退場劇は本当に残念で仕様がない。バルサが勝つと当たり前すぎるんだよなぁwしかしあの退場があったからこそ試合が盛り上がったのも事実だし…本当にサッカーって面白いなぁ。MVPはたぶん2得点両方を演出したラーションになるんだろうけど、個人的にはアーセナルGKアルムニアを推したい。まともな準備運動をするまもなくピッチに出されて、あの世界最高の攻撃陣の攻撃を何度も浴びせられながら我慢した姿は感動すら覚えた。得点シーンは未熟さが露呈しているとか言ってる評論家もいるけどあんな中にいきなり出されて集中力が続く人間なんかそうはいないと思うし、同点のシーンなんかはキッカーから見てシュートレンジが広いファーサイドをカバーするのは当たり前だと思うのだが。そこを敢えてニアに蹴りこんだエトーを賞賛するべきであって、アルムニアは本当に勇敢に戦った選手だと思う。