UEFA CL 準々決勝レビュー

マンチェスターU vs ローマ(8-2 マンUwin)

笑うしかないくらいの2ndレグでの大逆転でしたね。
まあ結局はローマはCLの経験値が圧倒的に足りなかったんだなと思います。
開始10分くらいで先制点をとられてから浮き足立っちゃいましたね…
それからあれよあれよと言う間に3失点してしまってジ・エンド。
一昨年の決勝で三点差をひっくりかえしたリヴァプールのような地力があるわけでもなく…
まあローマはいい経験ができたと開き直るしかないっすね。


一方ユナイテッドは磐石という他ない。
この試合はローマの自滅とも言えますが、
準々決勝でこのパフォーマンスなら本気でビッグイヤーが見えそう。
インテル、リヨン、バルセロナ等の本命がすでに敗退してることから
確率はかなり高いといえるでしょう。


また、CLでの得点がほとんどなかった
ルーニー、Cロナウドの2人の若手が共に得点できたことは非常に大きい。
経験に不安の残る若手がこれで大きな自信をつけたことは勢いにつながりますからね。

チェルシー vs ヴァレンシア(3-2 チェルシーwin)

アウェイで1-1の引き分けを見せたヴァレンシアがそのアドバンテージを活かして
インテルのように零封に抑えるかと思いきやまさかまさかの大逆転劇。
ホームで先制点を取ってから「これはもうヴァレンシアのペースだな」と思いきや
あのポルトガル人監督はどれだけ俺達の想像を上回れば気が済むのか。


今年のチェルシーバラックシェフチェンコの2枚看板を生かそうとして新採用した
4-4-2のシステムが機能していないだとか散々言われてきましたが、
個人的にはCLでここまで残っていることから逆にメリットに変貌を遂げていると思います。
つまり4-4-2のシステムは今シーズン初めはほとんどぶっつけ本番で使っていたが、
それで思うような結果が残せなくとも、使い続けたことによって
ある一定の成果(プレミア2位、ドログバ得点力開花)を残せるくらいの完成度になった。
そして今回の対戦のように前半4-4-2でうまくいかなくなっても4-3-3の従来の形に戻すことで
1試合のうちにかなりの変化をつけることに成功したと思います。
まあこのシステム変更にはジョー・コールの復帰などの要素が絡んではいますが…


準決勝以降を見れば必ずや大型補強で出来た層の厚さと、2つのシステムを使いこなす
戦術理解度の高さは大きな武器になるはず。
知将モウリーニョの頭の中には今シーズンの頭からこういう流れになることが予想できていたのかも。

リヴァプール vs PSV(4-0 リヴァプールwin)

なんというかこの組み合わせについては言うことがないっすねw
とりあえず言えることはリヴァプールに関しては国内リーグでは出遅れたものの、
後半CF陣の攻撃力が定着したことによって安定感が増し、
トーナメント1回戦でバルセロナを粉砕したと言う勢いが出来たのは何よりも大きなことです。


一方のPSVは国内では序盤独走態勢を築くも、その後故障者続出により失速、
国内でもあれだけああた勝ち点差がわずか2に迫られ、
故障者は誰かが戻ってきても誰かがいなくなると悪循環だらけ。
CL決勝トーナメント1回戦では同じような状況苦しむアーセナルに金星を上げて突破したものの、
準々決勝では相手のチーム状況が良すぎてなす術もなくホームで完敗…


とまあこれまでの状況を考えてみても妥当な結果だったと思います。
リヴァプールの準決勝の相手はチェルシー
国内で遥か彼方にいる相手に対等な状況で戦える唯一の機会なので相当な気合が入ると思います。
どちらも守備が堅いチームなのでみていて面白い
点の取り合いになるとは考えにくいですが激戦必死です。

ミラン vs バイエルン(4-2 ミランwin)

こちらも大逆転勝利と見て良い結果でしょう。
1stレグの結果を見る限りアウェーで2点取って引き分けたバイエルン
圧倒的優位だったのですが、ここ数年コンスタントに結果を残している
ミランのCLでの経験値が最後にモノを言いましたね。


バイエルンは主将のカーンとファン・ボメルの復帰があり、
ミランジラルディーノが出場停止と
選手起用の面でもバイエルン有利の状況だったのにこの結果は天晴れ。
アウェーで序盤から流れを作って先取点を奪い、
その後しっかり守りを固めるのは正にイタリアのクラブ。
ホームの勢いで攻め込んだバイエルンの攻撃を退けられたのはさすがにミランと言ったところか。


今回は自慢のチーム組織力で勝ちきったものの、
準決勝の相手は今年絶好調にしてビッグイヤーの大本命マンチェスター・ユナイテッド
層の厚さもチームの勢いも完全に負けている相手に対するは経験とイタリアの名門のプライドのみ。
正に準決勝屈指の好カードと言えるでしょう。