MELL FIRST LIVE TOUR 2008 SCOPE

半月ぶりですが今回はこれを書かないわけにはいかない!
というわけで自分がI’veの中でダントツに好きな歌姫MELLのファーストツアーに行ってきました。
I’ve参加は最古参ながらファーストライブまでは10年もかかってしまったMELL
今夜はそんな彼女の集大成のパフォーマンスが見れました。
一応このツアーは8日の札幌がファイナルになるので、
ネタバレを見たくない方はここで引き返してくださいね。
それでは続きからどうぞ。
会場はSHIBUYA-AX。代々木体育館の真裏にあるなかなか大きな箱です。
明らかに原宿駅の方が近いんですが、まあ130円も違うので自分達は渋谷から向かいました。
案の定ちょっと迷ってしまい、会場に着いたのは17:45頃。
しかし30分から開場だったはずなのに既に全く列がなくなっており、びっくりするくらいすんなり入りました。
中の物販もまったく並ばずに目当てのパンフをらくらくゲットして入場。
中はさすがに人がいっぱいいましたが、アレだけの人数がすぐに入るとは思えないので
たぶん前倒し入場でもあったんでしょうか?
とりあえずほとんどフロアのど真ん中あたりを陣取って開演を待ちました。

01.Under Superstition

予定時刻より5分ほど遅れて照明が落ち、いよいよ開演です。
まず黒ずくめの二人が出てきて4つの燭台に火が灯ります。
その後階段を上った二人は白い旗を振り、その旗が交わった後、向こうからMELLが登場しました。
バンドメンバーも揃って始まったのはいきなりアルバム『MELLSCOPE』より「Under Superstition」。


なによりインパクトがあったのは登場の仕方も含めた「雰囲気作り」。
言うのが遅くなりましたが、今回のツアーでは各会場でサイリウム禁止令」なるものが出ており、
この東京でも同じで誰一人サイリウムは持っていませんでした。
そんな禁止令まで出して表現したかったのは紛れもなく「MELLSCOPEの世界」にほかなりません。
MELLのダンスも含めあっという間に観客全員がその世界観に引き込まれたことは間違いない。
さらにこの曲がライブでの説得力が凄かったことも大きい。
サビの絶叫部分ではまるで変な宗教のミサに参加したのかと思うほど。
とにかく1曲目の感想はただただ圧倒されたというだけです。

02.Way beyond there

間髪いれずにこちらもアルバムオリジナルの「Way beyond there」。
しかも同じくバリバリのロックチューンでもうボルテージは最高潮。
今回自分は上のようにサイリウムが禁止されていたので(されてなくても普通持たないですが)、
なんか今までとは違うノリ方をしようとヘドバンをしまくっていました。
周りの人たちはサイリウム持たなくても大体腕をふっていましたが、
たぶんわざわざ禁止令出してるんだからどっちかというとこっちが正しいんじゃないかと。
結果は…まあこの後も頭振りまくったおかげで結構首痛いんですけどね!
ぶっちゃけサビでは腕振ることも多かったし。

03.KILL

3曲目はなんと押井守監督の実写映画最新作「斬〜KILL〜」の主題歌で
MELLの4thシングル発売が11/19に決まっている新曲「KILL」がいきなり登場。
前2曲の勢いをそのまま引き継いだような超攻撃的なリフがまずカッコいい。
サビではもうこれでもかというくらいヘドバンさせていただきました…
これは本当に発売が楽しみです。

MC.01

ここではじめてのMCタイム。
C.G mix featuring MELL」のライブ以来久しぶりですが、相変わらず所作が仰々しいw
挨拶もそこそこに話題は3曲目の「KILL」について。
「今回初めて映画の主題歌を歌うことになったわけですけど、それがあの押井守さんの作品ということでとても恐れ多いなと。また、映画に合わせてシングルに入るPVを作ったんですけど、今回はそのPVも押井さんに作っていただきました。」
「おおー」
「そのPVの撮影ですが、もうとにかく映画の世界を壊しちゃいかんなと。そこで押井さんに実際にお会いして話をしたんですが、『今回MELLさんにはギリシャ神話に出てくるとても怖〜い冥界の女神であるヘカテというイメージでやってもらいます』と…」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%AB%E3%83%86%E3%83%BC
会場大爆笑w
「まあ押井さんにいわれたらいやとは言えません。そして撮影が始まりました。私の傍らにはとても怖〜いドーベルマンがいました。おそらく押井さんの計らいでしょう。でもその人も殺すようなドーベルマンはとても従順に私の言うことを聞いてくれました。そんな風景も入ってますのでどうぞ期待していてください。」

04.no vain

MCのあとに始まったのはカップリング曲ながらコアな人気がある「no vain」。
これカラオケで歌ったことがあるんですが、エフェクトかけてる原曲のようにどうしてもカッコよくならない。
しかし生で聴いたときにわかりました。アレはエフェクト関係なくMELLが凄いんだとw
実際エフェクトかけてないメロの部分でも全然違うなぁと思わず聴き惚れてしまいました。

05.On my own

ここで階段の上に昇り、始まったのはまたもや聴きなれない曲。
こちらは先ほどの「KILL」のカップリングであり、映画でもEDとして使われる「On my own」という曲。
ED曲らしく正統派のどバラードだったわけですがやはりMELLさんにはこういう曲が良く似合う。
個人的には同じパワフルな曲でもロックテイストよりは存在感のあるこんなバラードの方が好きです。
こちらもはやくCD音源で聴くのが楽しみです。

MC.02

「先ほど聴いていただいた曲は『On my own』という曲で、先ほど紹介した映画のEDにも使われております。どうぞみなさん曲だけじゃなくて、実際に映画も見てくださいね。誰かさんが出てるかもしれませんし…」
「おおー」
これは映画内にMELLの姿が映るってことですかね…これは気になる。
「さて、みなさんさっきから登場しているダンサーさんがわかりますか?」
「はーい!」
「わたしがMELLになる前から大ファンだった方です。今回急遽東京、大阪、名古屋のみゲスト出演していただくことになりました!森岡賢さんです!」
ごめんなさい!自分武道館のときの裸ダンサーだと思ってました!
確かにオフィシャルでも紹介してありますが、キーボードと言われてたのでその人だと思いませんでした。


「話はがらりと変わりますが、先ほど『私がMELLになる前から』と申しましたが、今回のライブで初めてMELLを見たという方はどれくらいいますか?」
およそ3割くらいの人が手を挙げる。
「じゃあ『Red fraction』で初めてMELLを知ったという人」
1割弱くらい?
「アルバム『MELLSCOPE』からという人」
多分10人もいなかったかな…
「ということは残りの人は…1999年に『regret』というアルバムの『美しく生きたい』というところから知っている人」
当然ほとんどの人が挙手。
「あーもうありがとうございます。そんなころから応援してくださった人がこんなにいらっしゃったんですね。そういう方には耳がたこが出来るくらい聞いた話かもしれませんが、一応自分の紹介をしますと、私MELLは1999年の『美しく生きたい』という曲でデビューさせていただいて、2006年『BLACK LAGOON』というマンガのアニメ化と同時にメジャーにデビューさせていただきました。そしてよく質問されるんですが、何で英語の歌を歌うの?とよく聞かれます。実はそれはMELLという名前を使う前、私が歌手というものを目指したきっかけになったのがABBAという人たちの曲を聴いたときでした。そのハーモニーや曲に魅せられて、ABBAの曲を必死に歌っていたのが歌手を目指した大本です。だから大きくなって高瀬君に会ったときにMELLという名前で始めて活動したのはユーロビートABBAのカバーが実は最初なんです。このCDを持ってる方はいらっしゃいますか?」
自分を含めて5人くらい?
「さすがに東京の人はすごいですね。そんなコアなものも聞いてもらえているとは。」
ちなみにそのときに言っていたCDはこちらです。

EURO(3)

EURO(3)

  • アーティスト: オムニバス,ジェニファー,アンジー,デビー,マーク・S,メル,カタリナ,マーク・N
  • 出版社/メーカー: チャプター・ワン
  • 発売日: 2001/03/17
  • メディア: CD
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このCDにはMELLが2曲歌っていますので気になった人はぜひ買ってください。
4ではSHIFON-Tこと元I’veの歌姫SHIHOさんが歌っています。


「まあ英語の歌を歌っているのはMELLになる前にそういう洋楽のカバーを主に活動していたからなんですが、私のイメージといったら怖い、殺人や硝煙のにおいがするというものばかりです」
会場大爆笑。
「そういう世界私も嫌いじゃないです。そういう暗い世界は普通の人生では出会えないですからね。でもそう言う暗い、怖い世界があるからこそ今の日本のような平和な世界があるんですよね。だからそういう世界も良いけど私もほっとするような曲を歌ってたりするんです。次はそういうMELLも聴いて下さい。『Permit』」

06.Permit

前フリの「英語詩」「ゆったりした曲」を表現したファンの間でも屈指の人気曲。
今回初めて生で聴くことができましたがやはりMELLさんの歌唱力ならバラードは極上ですね。

07.Proof

ドラムソロから続けてメジャー2枚目のシングル「Proof」を熱唱。
今回アルバムに収録されずちょっとかわいそうな扱いでしたがライブで聴けてよかったです。
さすがにバラード2曲連続のおかげで体力回復できました。


このあとに森岡さんがオーディエンスを盛り上げ、再び会場はノリノリモードへ。
MELLさんも懸命に腕を振り、向かったのはこの曲。

08.kicks!

「Virgin's high!」のカップリングでありながらこちらも人気曲だけあってボルテージもMAX。
休んで復活した体力使って再びヘドバン地獄。
しかし楽しかったなぁ。

MC.03

「いやーすごいね東京!みんなのkicksが私にびしびし伝わってきたよ!」
「イエー!!」
「ではここでバンドメンバーの紹介です。まずはドラム、八木一美!」
「いやー僕もハアハア言ってます。でもまだ体は寒いんだよね!」
「みんなもまだまだいけるよね!?」
「うおー!」
「次はギター、尾崎武士!」
「みんなこんな僕でだいじょうぶ?」
「イエー!」
次は初めてバンドに参加していただいた札幌の同志。ギターを弾いて20年!田中康治!」
「キャー!!(←女性ファンの声が凄かった。かなり人気ある人みたいですね)」
「次はベース、佐藤太希!」
「…うん」
「東京は?」
「最高?」
「こういう低音の魅力がありますが、心も低温で」
会場爆笑w
「もちろん良い意味ですよ!熱いバンドの中でも小川のようにクールなベースを弾いてくれてます。」
「次はもうこのツアーで2度もこの方を紹介するのを忘れております。」

会場大爆笑w
「今回こそは忘れないで紹介します!キーボード&マニピュレーター、古島知久!」
「存在感のない僕ですががんばります」
「まあこういう穏やかな顔していますが、ツアーをするうちにだんだん強烈な個性が見えてきた気がします」
「そしてもう説明は不要ですよね。キーボード、森岡賢!」

「イエー!イエー!イエー!イエー!」
「うおー!!」
「そして最後にボーカルはMELLでございます」
「うおーー!!!」


「今回デビューしてから10年たってようやくアルバムを創ることが出来たわけですが、このアルバムを創るに当たって当初はここまでやってきた喜びとかを表現しようとおもっていました。だからタイトルにある通り潜望鏡、スコープを使って今までを振り返って客観的に見たんですね。そしたらそういう喜びとか感謝とか以外にも対極にあるような悲しみや恐怖まで見えてきたんですよ。そしてそのいろんな感情がうごめいた中に自分の姿も見えるわけですね。それを見つけた瞬間、歌詞が書けなくなるくらいになってしまったんですよ。何が10年を客観的に見るだ、結局自分もそういう汚い世界にいるんじゃないかと。そうおもったらもう単純に喜びを表現するわけにはいかない。だからこういうアルバムが出来上がったんですね。
今回のアルバムをみなさんが聴いていただいて『なんだMELLは10年も経ったのにまたこんな暗いアルバムで始まるのか』と思っているとはわかっています。でも気づいてしまったからにはこのアルバムにするしかありません。申し訳ありませんが、10年目のMELLはこういうアルバムで1から始めさせていただきました。そんな思いを込めて創ったアルバムのタイトル曲です。聴いて下さい『SCOPE』」

09.SCOPE

はっきりいってこのMCを聞いた直後の観客はみんな「引いていた」とおもいます。
さっきまであんなにノリノリで騒いでいたのにいきなり重い話でしたからね。
でもこの曲を聴く間に誰もが持ち直せたんじゃないでしょうか。
そう、MELLはその思いをこの曲に託したんだから曲をただ楽しめば良いんだと。
幸いノリが良い曲だったのでそういう点は高瀬さんに感謝かな。

10.Red fraction

そしてこの曲がコールされた瞬間、もう難しいことを考えてる人は皆無だったでしょう。
MELLのメジャーデビュー曲にして代表曲。
とにかく自分は英語詩を叫び、そうでない人は腕や頭を振りまくりました。
ただこの瞬間を楽しむ…この曲順は最高の判断だったとおもいます。

11.The first finale in me

騒ぎまくってクタクタになった自分達にまたもやMELLは重い曲を叩きつけます。
ある意味「SCOPE」以上の思いを込めて創ったとされる名曲。
でもこの曲はとても重くもありましたが、とても優しい曲でした。
疲れ果てたオーディエンスの体には間違いなく心地よい時間でした。


ここで一斉に引き返すMELLたち。余韻に浸る観客。
それから程なく始まったアンコール。
正直この時間に精神的にも体力的にも回復できたのは良かった。

Encore01.Egen

ラフな格好に着替えて出てきたMELLには極上のピアノイントロがついていました。
何度の申し上げたかもしれませんが個人的にMELLI’ve曲で一番好きな「Egen」です。
この曲を歌ってくれるとは思っていなかったのでとても感激しましたね。
C.G mixの時にも歌ってくれたしもしかしたら自分が思っている以上に
MELLさんもこの曲が好きなのかもと妄想してちょっとうれしくなりましたw

MC.04

「アンコールありがとう!この曲は『Egen』という曲で、アメリカでライブしたときもあちらの方がみなさんみたいに盛り上がっていただいてとてもうれしかったです。この『Egen』という単語は向こうの方もわからないでしょうし、みなさんも『慧眼』という難しい単語なんでわからないかもしれないですね。
自分は今までいろんなアニメやゲームの主題歌を歌ってきましたが、作品の世界を聞いて曲を作るんですが、例えばさっきの『Egen』の場合は空から巨大な剣がバンバン刺さってきていっぱい人が死んじゃって、それを女の子が救って話しなんですね…うん?…よくわからないよね?」

会場爆笑
「とにかくそういう風なアニメやゲームってファンタジーですよね。でもその中にも現実とリンクする部分が必ずあるはずで、そういう部分を曲にしていくわけです。
そしてこのツアーに出る正に直前にI’veの事務所に用があったので行ったんですよ。そしたら事務員の女の人が大きなダンボールを持って『これMELLさんへの荷物みたいです』って言うんですよ。何が入ってるんだろうと開けてみてみたら、あったのはスカイガールズの3人の女の子のフィギュア!」

会場この日一番の大爆笑w
「事務員さんもなんか困った顔してたから、とりあえずパタッと閉じてすぐに家に持って帰ったんですよ。そして家でその3人を並べて聞いたんですよ。『私って大丈夫?あなた達の世界をちゃんと歌えてる?』って」
ここでも大爆笑w
「そしたら女の子が言うんですよ。『情けない。あなたは私たちのために歌ってるわけじゃないでしょ?私たちの世界を通して、空を飛ぶこと、夢を見ることを応援するために歌ってるんでしょ?』って。そこで気づいたんですよ。みんなもなんかあるでしょ?これがやりたいんだけどどうしようかなぁって悩んでるようなこと。私はそういう人たちに空を飛ぶってこんな凄いことなんだよ、だからがんばろうよ!って歌ってあげてるんだってことに。だからこれからも私はみなさんに夢を見ることを応援するために歌っていきます!では聴いて下さい!『Virgin's high!』!」

Encore02.Virgin's high!

ギャグっぽい話と思ったら最後はとても素晴らしい話からこの曲になりましたw
しかしこの曲は聴けば聴くほど好きになっていきますね。
もちろん今回のライブでももっと好きになってしまいました。
まさかMELLさんがここまでスカイガールズのことを考えてくれたとは!
突き抜ける爽快感も生では格別で今日一番観客が盛り上がったんではないでしょうか。


曲が終わり再び引き返すMELL一行。
でもまだまだ終わりませんよ!
というわけでダブルアンコールに応えてTシャツ姿で戻ってきてくれました!
「これで本当の本当に最後の曲です!みんなで歌いましょう!『砂漠の雪』!」

Double Encore.砂漠の雪

締めに持ってきたのは武道館でも歌った言わずもがなの超名曲。
しかしこんだけ人気あるのに今回の曲で一番入手困難なんですよね。
もちろん自分はMC通りに熱唱しましたよ!


最高に盛り上がり、カーテンコールも終えて続々と帰るバンドメンバー達。
そして最後に残ったMELLが挨拶しようとしたときにサプライズが起きました。

Surprise.美しく生きたい -10 Years anniversary mix-

退場曲、つまりただのBGMとして流れたこの曲を自分を含めた何人かが歌い始め、
サビに来る頃には会場全体での大合唱となったのです。
もちろん自分たちはこの会場で初めてあった人ばかり、
最後に大合唱をしましょうと打ち合わせたことなんかあるはずもありません。


でも「自然と」この大合唱が始まったんです。
これにはMELLさんも絶句という感じでした。
もちろん歌っている自分たちもものすごい一体感を感じ泣きそうになりました。
やはりこの「美しく生きたい」という曲はMELLファンにとって特別な曲で、
残念ながらライブ中に歌われなかったことがこの大合唱につながったのかもしれません。
ただ理由はどうでも良いんですよね。
間違いなくあの瞬間自分達は同じ気持ちを共有できたと思います。


今回のアルバムやライブでは様々な重いメッセージをMELLさんは僕たちに伝えました。
もちろんそんな大層なメッセージに自分達が完璧な答えを用意できるはずはありません。
でもこの最後の一場面で僕たちはMELLさんに出来る限り最高の応えが出来たと確信しています。
次回のライブももしかしたら何年かあいてしまうかも知れません。
でもそのときにもまた最高のライブを創る一員として参加したいと心から思います。